天然のガラス鉱物のご紹介(*゚∀゚)

お世話になっております(´・ω・`) 日中は暖かい日が多くなって参りましたが皆様いかがお過ごしでしょうか(*゚∀゚)

今回のブログは、「天然のガラス鉱物のご紹介」です(・∀・)ノシ

いきなり天然のガラスと言われても「なんじゃラホイ」でございますが、先ずはこちらの画像をご覧下さい(´・ω・`)
img
黒曜石 方珪石入り
和田峠産
・高画質の別窓での表示はこちら

代表的な天然のガラス鉱物「黒曜石(こくようせき)/Obsidian(オブシディアン)」の画像になります。
ガラスの成分は主として「二酸化ケイ素(石英)」になりますが、これは水晶の成分と全く同じに成ります。ではガラスと水晶は何が違うのかと言いますと
この二酸化ケイ素が分子・原子レベルでかっちり結合した結晶状態であるかないかで違ってきます。

黒曜石の場合は、元になる火山性の溶岩が、結晶が出来るスピードよりも早く冷却されることで結晶していないガラスの状態になります。これを「非晶質」と言います。

水晶の場合は、地中で膨大な時間を経てゆっくりと結晶になっていきます。かっちりときっちりと結晶しているので表面の硬さを示すモース硬度でも、ガラスは [5] 水晶は[7]と水晶の方が堅い鉱物になります。

加えて水晶は、複屈折という光を屈折させる特性があるので、新聞の文字などを水晶に透かして見ると必ず二重に見える位置があります。

ちなみに、「溶錬水晶(ようれんすいしょう)」という名前の水晶玉はすべてガラスの玉になります。鉱物標本ではなく工芸品のたぐいになるかと思います(-_-;)

img
黒曜石 方珪石入り
和田峠産
・高画質の別窓での表示はこちら
こちらの黒曜石についている灰色の鉱物はちょっと変わった鉱物で、水晶の成分が高温で結晶する事で出来る「方珪石(ほうけいせき)/Cristobalite(クリストバーライト)」になります。

丸い「方珪石」がいくつも黒曜石の中に入っています(´・ω・`)このタイプは「宇宙入り」と呼ばれたりしています(*゚∀゚)物理の法則軽く越えてるネーミングセンスにロマンを感じます(´・ω・`)
img
黒曜石 方珪石入り
和田峠産
・高画質の別窓での表示はこちら

同じような「方珪石いりの黒曜石」でも、海外のものが表情が違ってきます(*゚∀゚)こちらは「スノーフレークオブシディアン」の名前で親しまれている鉱物です(´・ω・`)黒曜石の濃さや方珪石の入り具合も違いものすごく濃い感じがします(・∀・)
img
黒曜石 方珪石入り スノーフレークオブシディアン
マダガスカル産
・高画質の別窓での表示はこちら

日本国内でも様々な場所で産出する「黒曜石」ですが、北海道では「十勝石(とかちいし)」という名前で親しまれています。画像は酸化鉄による赤い模様が美しい「紅十勝」になります(・∀・)
img
十勝石(紅十勝) 黒曜石
北海道産
・高画質の別窓での表示はこちら

さてさて、お次のガラス鉱物は、「隕石の衝突によって岩石が溶けて出来た(諸説あり)」 テクタイト の画像になります(´・ω・`)
世界各地で発見されているので見つかった場所の名前が付けれたりもしています。
画像のものは南西アジアでの産出になるので「Indochinite/インドシナイト」とも呼ばれています。
img
インドシナイト(テクタイト)
ベトナム産
・高画質の別窓での表示はこちら

こちらは中国での産出なので「Chinite/チャイナイト」とも呼ばれています。
img
テクタイト
中国産
・高画質の別窓での表示はこちら

こちらも、出来た原因が隕石の衝突によるものではないかと言われている「リビア砂漠」で発見される天然のガラス「リビアングラス」になります(´・ω・`)
img
リビアングラス
リビア砂漠産
・高画質の別窓での表示はこちら

オーナーとっておきの秘蔵コレクション、手のひらサイズのリビアングラスになります(´・ω・`)
img
リビアングラス
リビア砂漠産
・高画質の別窓での表示はこちら

チェコ共和国のモルダウ川周辺で産出する「モルダバイト/Moldavite」も大昔の隕石の衝突が原因で出来たテクタイトの一種と考えられています(´・ω・`)
美しいグリーンが特徴的で宝石にカットされたりもしています(*゚∀゚)
img
モルダバイト
チェコ共和国産
・高画質の別窓での表示はこちら

モルダバイトの「ルース(裸石)」
img
モルダバイト
チェコ共和国産
・高画質の別窓での表示はこちら

どんなものにも、それが出来るまでの過程がありますが、鉱物の場合それが火山活動だったり、隕石の衝突、だったりと地殻変動とダイナミックの天井知らず的な背景が在ったりするので、手のひらにそんな鉱物をのせて眺めていると頭がくらくらしてきます(*゚∀゚)


今回ご紹介しまた「モルダバイト」と「テクタイト」は下の画像のものがお店にございますので、機会が御座いましたら是非ご覧下さい。
img
モルダバイト
チェコ共和国産
・高画質の別窓での表示はこちら

img
テクタイト
・高画質の別窓での表示はこちら


ー最近のメルク*リリ(^ω^≡^ω^)ー

インフルエンザで一週間寝込んでいたオーナーですが、今ではすっかり完治して品薄になっていたブレス作りに精をだしております(=゚ω゚)ノ とは言ってもここ数日の話なので、品薄は品薄でございます(; ・`ω・´)

それでは、また次回のブログにて( ^ω^ )

和田峠の黒曜石

先日、私の鉱物師匠から和田峠産の「黒曜石(こくようせき)/ Obsidian(オブシディアン)」の研磨のご注文を頂きました。
折角なので、この機会に画像を交えて「黒曜石/ Obsidian」についてまとめてみようと思います(´・ω・`)ノ
「黒曜石(こくようせき)/ Obsidian(オブシディアン)」
黒曜石は、マグマ由来の岩石で、マグマが水中や地表付近などの特殊な条件下で噴出し、急激に冷えて固まった「流紋岩(りゅうもんがん)」(まれにデイサイト)の一種になります。
成分は「二酸化珪素(にさんかけいそ)」SiO₂ が約70%~80%
   「酸化アルミニウム」Al₂O₃ が約10%強
その他「酸化ナトリウム」NaO₂ 
   「酸化カリウム」K₂O
   「酸化鉄」FeO
   「酸化カルシウム」CaO
と微量の水によって構成されています。天然のガラスとも呼ばれます。
モース硬度 (鉱物の硬さを示す基準)は「5」でカッターやナイフでやっと傷が付く硬さです。
割ってみると、とても鋭い割れ方をします。この特徴を利用して、「ナイフ」や「鏃(やじり)」などに古くから世界中で利用されて来ました。
日本では、後期旧石器時代から使われていました。今回の和田峠産の黒曜石も「ナイフ」や「鏃(やじり)」へと大量に加工され、交易品として関東方面や青森県は三内丸山遺跡へも運ばれていたそうです。
外側と内側とでは構造が異なり、内部に結晶が認められるものもあります。
これは、外側が急激に冷え、内側がその分ゆっくり冷えて固まる事で起こります。 また、左の画像の様に層状なっているものも良くみられます。
さて、今回私の師匠から研磨の依頼があった「黒曜石」ですが、普通の「黒曜石」とは少し異なり「方珪石(ほうけいせき)/ Cristobalite(クリストバライト)」と言う「石英の高温結晶」を内包しているものになります。
左画像の灰色で球状のものが「方珪石」になります。それでは早速、研磨してみましょう。
いつも使用している「ダイアモンドパシフィック社」の研磨機「BigFoot」を使って磨いていきます。
ダイアモンドの細かい粒の付いた荒い番手から磨いていきます。徐々に目の細かい番手へ移動しピカピカになるまで磨いていきます。
しっかりとツヤを出して完成です。なかなか味わい深い感じに仕上がりました(´・ω・`)内包されている球状の「方珪石(ほうけいせき)/ Cristobalite(クリストバライト)」がほんの少し気泡をまとっているので、ペンライトで照らしてみるとキラキラ輝きます。また、独特の浮遊感があるので宇宙に漂う惑星の様でもあります。実際に「宇宙入り」なんて言う呼び方もされているみたいです。
今回研磨したものは、運良く3つの「方珪石」が並んでいたので、惑星直列っぽくなりました(・ω<)
今回「黒曜石」について改めて調べてみてその深さに驚きました。中でも製鉄の技術が確立される以前の日本ではとても重要で身近な存在だった事に改めて気が付きました。産地によっても色や特徴が変化する「黒曜石」。またいろいろな切り口でご紹介出来たらと思います。

今回参考にさせて頂きましたhp
黒曜石関連
ウィキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/黒曜石
小田静夫 黒曜石研究の動向 http://ao.jpn.org/kuroshio/kenkyudoko.htm
流紋岩関連
倉敷市立自然史博物館 流紋岩  http://www2.city.kurashiki.okayama.jp/musnat/geology/rock/igneousrock/rhyolite.html 
遺跡関連
邪馬台国大研究 鷹山遺跡 http://inoues.net/ruins/takayama.html