いつもお世話に成って居ります(´・ω・`)Web担当の荻久保です。肌寒い日が続くようになり、夜は吐く息が白くなる季節に成って参りました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
さて、今回のBlogは、上田盆地で見られる謎の多い
「玄能石(げんのういし)」
のご紹介です(´・ω・`)
玄能石(げんのういし)
上田市産 W80xD35xH20 個人蔵
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上田市越戸近辺で見られる鋭く尖った奇妙な石。昔の人は、その形が大工道具の「玄能」(かなづち)に似ている事から「玄翁石」と呼んでいました。
この「玄能石」は上田以外でも北海道や新潟で確認されています。しかしこの「玄能石」は未だに謎が多く、どのような経由で出来たのかはっきりとした事は分かっていません。
成分は、様々な不純物の混ざった「方解石(ほうかいせき)/Calcite(カルサイト)」と成ります。(成分は方解石ですが、結晶の形は方解石のものとは異なっています。)
玄能石(げんのういし) 双晶タイプ
上田市産 個人蔵
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現在では、グリーンランドなどの高緯度地域で発見された「イカ石/Ikaite(イカイト)」やオーストラリアのニューサウスウェールズ州で発見されたの「イカ石/Ikaite」の「仮晶(かしょう)」*1 である「グレンドン石/Glendonite(グレンドナイト)」とする説が有力視されています。
*1 仮晶:鉱物の結晶形が保たれたまま、中身が別の鉱物によって置き換わる事で本来はありえない形と成る現象
グレンドン石/Glendonite(グレンドンナイト)
ロシア コラ半島産 個人蔵
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玄能石(げんのういし) 母岩付き(泥岩層)
上田市産 個人蔵
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越戸の地層は、今から1500万年前は寒流が流れる静かな海だったようで、イカ石やグレンドン石の発見された環境に似ていたのかも知れません。
※上田盆地のこの年代の地層は、主に黒色の泥岩層で、近隣の別所温泉地域に標準的に分布しているので「別所層」と呼ばれています。
数年前、アメリカ人の鉱物業者さんがアラスカ産のグレンドン石を取り扱っており、日本でも産出する話をした瞬間に「ナガノ? ウエダ? シッテルヨ!!」 と直ぐに返答されて驚きました(´・ω・`)
鉱物を通して改めて、地元の土地の歴史や特徴を知る切っ掛けに成ったのがこの「玄能石」だったりします(´・ω・`)そしてここ上田市のある上小地区には珍しい鉱物が沢山在ります。またぼちぼちご紹介出来たらと思いますのでどうぞお楽しみに(´・ω・`)
最近のメルク*リリ(´・ω・`)
最近、オーナーがいつにも増してブレスレット作りに励んでおります(^_^;)
新しい様々な表情の天然石ビーズを発見すると、「製作創作ガンガン行くよスイッチ」がドカンと入る様で凄い勢いで新しいブレスレットが出来てきています( ゚д゚)製作に専念するのは良いのですが、季節の変わり目で急に寒くなる日が続いて居るので体調には気を付けて頂きたい所で御座います(^_^;)
冬はもう目前、皆様もどうぞ暖かくしてお過ごし下さい(´・ω・`)
でわでわ、また次回のblogをどうぞお楽しみに(´・ω・`)
今回参考文献
□楽しい鉱物図鑑2 堀 秀道 著/草思社
□上田盆地1600万年をめぐる 甲田三男 著/信濃書籍印刷株式会社
□Wikipedia イカ石
http://ja.wikipedia.org/wiki/イカ石