霰石(あられいし)/ Aragonite(アラゴナイト)

いつもお世話に成って居ります(´・ω・`)Web担当の荻久保です。
移り変わりの季節、皆様いかがお過ごしでしょうか。

今回のブログは、前回ご紹介しました「方解石(ほうかいせき)/Calcite(カルサイト)」と「同じ成分(組成)」で出来ているのに「結晶の形(結晶系)」の異なる「同質異像(どうしついぞう)」の鉱物、

「霰石(あられいし)/ Aragonite(アラゴナイト)」

のご紹介です(´・ω・`)

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「霰石(あられいし)/ Aragonite(アラゴナイト)」 メキシコ産 個人蔵
W31xD20xH18 mm
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□鉱物情報□

-霰石 / Aragonite-

□和名:霰石(あられいし)
□洋名:Aragonite(アラゴナイト)
□分類:炭酸塩鉱物
□化学組成:CaCO3 炭酸カルシウム
□結晶系:斜方晶系
□劈開(へきかい):一方向に完全
□条痕:白色
□色:無色,白色,黄色,褐色
□モース硬度:4
□比重:2.94
□主な産地:チェコスロバキア、トルコ、スペイン
コロラド州(アメリカ合衆国)、フランス、イングランド
メキシコ、日本(白骨温泉) 他


□名前の由来□
和名の「霰石(あられいし)」は、雲から降る「霰(あられ)」に似た形状で度々産出する事から名付けられました。
洋名の「Aragonite(アラゴナイト)」は、スペインはアラゴン地方で美しい結晶が多く産出する事から名付けられました。


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「グリーンアラゴナイトの磨石」と「アラゴナイトの丸玉」
個人蔵
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セプタリアン マダガスカル産  タンブル 磨石 個人蔵
W40xD35xH22 mm
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こちらは、粘土質の塊に生じた亀裂の中に、「方解石/カルサイト」と「霰石/アラゴナイト」が入り込んでいる鉱物標本「セプタリアン」の磨石です。黄色い部分が「方解石/カルサイト」で、こげ茶色の部分が「霰石/アラゴナイト」に成ります。同じ成分の「炭酸カルシウム」で出来ている両者ですが、その結晶構造の違いは、結晶した時の環境の違いによります。

地上や、地下浅くで結晶化した場合は「方解石/カルサイト」に、
地下深くの高温高圧の環境で結晶化した場合は「霰石/アラゴナイト」に成ります。

加えて、「霰石/アラゴナイト」は常温常圧の環境化では、徐々に「方解石/カルサイト」に転移するそうです。その為、結晶の形が「霰石/アラゴナイト」の形の「方解石/カルサイト」*1もしばしば見ることが出来ます。

注「*1の様に、結晶の形が保たれたまま、中身が別の鉱物に置き換わり、本来あり得ない形になる現象を「仮晶(かしょう)」といいます。」

以上、「霰石(あられいし)/ Aragonite(アラゴナイト) 」のご紹介でした(´・ω・`)

本当はもう少し、温泉に因む「霰石/アラゴナイト」情報も載せたいとは思ったのですが、自分で取材した資料が少なすぎるので、また別の機会に改めてご紹介出来ればと思います(T_T)



ー最近の「melc*lilli(メルク*リリ)」(´・ω・`)ー

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先日、丁度こちらの画像のタイプの「霰石/アラゴナイト」の鉱物標本が入荷いたしました。画像のものより少し丸みを帯びた「松ぼっくり状」のものです。ご来店の際には是非チェックしてみて下さい(。・ω・。)お店の方は花粉症に負けじとオーナーは今日も元気に飛び回っております(^ω^≡ >д<)、;´. この時期は、進学や就職、転勤などで新生活を迎える方も多いと思います、どうぞお体を大切にしつつ、新しい道をずんずんと力一杯進んで下さい(。・ω・。)ノシ それでは、また次回のブログで(´・ω・`)


今回参考文献

□楽しい鉱物図鑑/堀 秀道 著

□原色鉱石図鑑 増補改訂版/木下亀城 著

□宝石の写真図鑑/キャリー・ホール著

□Wikipedia 「霰石」
http://ja.wikipedia.org/wiki/アラレ石

□Wikipedia 「石灰岩」
http://ja.wikipedia.org/wiki/石灰岩

□Wikipedia 「仮晶」
http://ja.wikipedia.org/wiki/仮晶

□Wikipedia 「同質異像/多形」
http://ja.wikipedia.org/wiki/多形