川流れの石ころ研磨(´・ω・`)

今までいろいろな鉱物を紹介しきましたが、日常生活で身近な鉱物といえば何でしょうか、先日元気活発この上ない少年から近所の河原で拾ったという石を見せてもらいました。様々な鉱物が混ざりあった岩石、細かく何が混ざっているのかはわかりませんが、その模様はとても綺麗なものでした(´・ω・`) これは磨いてみたら面白いかもと思い今まで川で拾った面白い石と合わせて研磨して見てみたいと思います(´・ω・`)

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今回研磨するのはこちらになります(´・ω・`)

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上田市内の川で拾った岩石、「薄い塩酸(トイレ用洗剤)」で処理したため白っぽく成っていますが表面は焦げ茶色に緑色の鉱物はポツポツ入っています。
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こちらが少年が川で拾ってきた石です(´・ω・`)瑪瑙っぽいことは分かりますが何やら緑色の鉱物が混ざっています(´・ω・`)
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こちらはマダガスカルの川でとれたカーネリアンで縞模様の部分を研磨してどう変化するか確かめて見たいと思います(´・ω・`)
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こちらは地元の山で拾った石になります。石英や玄武岩のような黒い石が混ざっています。(´・ω・`)
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それでは研磨していきます(´・ω・`)

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磨いていくと凸凹した面が平になって一つ一つの鉱物が模様になって見えてきますした(´・ω・`)

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徐々に仕上げていくと表面の様子がはっきりと分かってきます(´・ω・`)

こちらは、瑪瑙におそらく角閃石が入り込んでいると思われます。苔瑪瑙と呼ばれて親しまれている石と思われます(´・ω・`)

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こちらの石は薄い塩酸を使った処理で変色していた部分が取れて、もともとの色が見えてきました(´・ω・`)

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マダガスカル産のカーネリアンは縞模様がすぐに際立って見えてきました(*´ω`*)

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徐々に仕上げて完成です(´・ω・`)


磨き上がりです(´・ω・`)

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ダルメシアンジャスパーのような茶色をしていますが、削った感じはとても柔らかく粘土鉱物系のような感じでした(´・ω・`)緑色の鉱物は何でしょうか、もしかしたら緑泥石かもしれません(´・ω・`)

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こちらは磨いていくと、石英と玄武岩の間に黄色い結晶がちらほら現れました(´・ω・`)この石が採れた場所は黄鉄鉱や白鉄鉱が見られる場所なのでそのどちらかと思われます(´・ω・`)

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マダガスカル産の川流れのカーネリアンは、磨くと縞模様の部分がくっきりとはっきりと見えるようになりました(´・ω・`)


まるで土星の輪っかのような線がかっこいいですね(´・ω・`)img

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さて、少年が持って来ました石がこちらになります(´・ω・`)緑色の鉱物が瑪瑙の中に入っているのがよーく見えるようになりました(´・ω・`)
ライトで照らして近づいて見てみましょう(´・ω・`)
まるで水槽の中の苔のような見た目です(´・ω・`)この緑色の鉱物はおそらく多くの苔瑪瑙と同じ「角閃石(かくせんせき)」が瑪瑙の中に入り込んだものと思われます(´・ω・`)

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身近にある石ころも、こうして磨くととてもきれいな事がよくわかりました(´・ω・`)

以上、川流れの石ころ研磨でした(´・ω・`)

ー最近のメルク*リリ(^ω^≡^ω^)ー

次回はオーナー秘蔵にお庭メノウをご紹介しますのでどうぞお楽しみに( ゚∀゚)o彡°

カテゴリー: 未分類

レピドライトに成ったトルマリンの仮晶(´・ω・`)

今回のブログは、レピドライトに成ったトルマリンの仮晶のご紹介です(´・ω・`)

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レピドライト トルマリンの仮晶 ブラジル産 個人蔵
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「仮晶」とは、ある鉱物の結晶が、形はそのままで中身が他の鉱物に置き換わっている現象のことで「仮像(かぞう)」とも呼ばれています(´・ω・`)

主な原因としては、例えば今回のトルマリンですと、地殻変動が起きてトルマリンのあるところに熱水などが入り込むことで起こります。ただ重要なのは、今回の場合トルマリンの化学組成と結びつきやすい他の化学組成が、入り込んだ熱水などに多分に含まれていることがポイントみたいです(´・ω・`)


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トルマリン ブラジル産 個人蔵
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・鉱物情報・
□鉱物名:和名:リチア電気石(りちあでんきいし) 英語名:Elbaite(エルバイト)
□分類:複雑なホウ珪酸塩
□化学組成: Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
□結晶系:三方晶系(さんぽうしょうけい)
□劈開(へきかい):なし
□モース硬度:7~7.5
□比重:3.06
□主な産地:マダガスカル、アフガニスタン、ブラジル、カルフォルニア、など 


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レピドライト  ブラジル産 個人蔵
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・鉱物情報・
□鉱物名:和名:リチア雲母(りちあうんも)・鱗雲母(りんうんも) 
英語名:Lepidolite(レピドライト)
□分類:カリウム等を主成分とする珪酸塩鉱物
□化学組成: KAl2(AlAi3O10)(OH,F)2
□結晶系:単斜晶系(たんしゃしょうけい)(擬六方晶系)
□劈開(へきかい):一方向に完全
□モース硬度:2.5~3 ときに4
□比重:2.7~2.9
□主な産地:ブラジル、アフガニスタン、マダガスカル、カルフォルニア、スウェーデン など 


今回の「レピドライトに成ったトルマリンの仮晶」ですが、実際中はどの様になっているのでしょうか?もしかしたら中心のところはトルマリンのままだったりしないのでしょうか?(´・ω・`)?

思い切って中を割って確かめて見ようと思います(´・ω・`)

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切断してみます(´・ω・`)
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切断面を観察しやすいようにキレイに磨き上げてみました(´・ω・`)

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切断面
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ルーペでよくよく見てみると、、、全体的に均一な感じで小さいトルマリンの残りは無いようすです(´・ω・`)

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切断面アップ
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断面の状態をもう少し観察してみたいと思います(´・ω・`)鉱物の判別方法では、鉱物の硬さ「モース硬度」を基準に判断する方法があります。

モース硬度とは、鉱物の持つそれぞれの硬さを数値化して基準としたものです。
1から10段階まであり数が大きくなるに連れて硬さが増している事になります。

モース硬度計
1:滑石(かっせき)
2:石膏(せっこう)      指の爪は2~3くらい
3:方解石(ほうかいせき)   およそ10円硬貨
4:蛍石(蛍石)
5:燐灰石(りんかいせき)
6:長石(ちょうせき)     およそカッターやナイフの刃
7:石英(せきえい)・水晶
8:トパーズ
9:コランダム・ルビー/サファイア
9~10の硬度の差はとてもあります。
10:ダイアモンド

このモース硬度をもとに、仮晶内部の変化している範囲を観察してみたいと思います(´・ω・`)


まずはトルマリンです。トルマリンのモーズ硬度は「7」なので、カッターで引っかいてもの傷は付きません(´・ω・`)

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続いてレピドライトです(´・ω・`)こちらのモース硬度は「2.5~3 ときに4」なのでカッターの歯で簡単に傷が付きます(´・ω・`)

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それでは今回の仮晶はどうでしょうか、、、?
外側から中心にカッターの歯で引っかきますとご覧の通り簡単に傷が付きました(´・ω・`)
このことから、中心部分もすべてレピドライトへ置き換わっていることが分かりました(´・ω・`)

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完全に全体がレピドライトに置き換わっています ・高画質の別窓での表示はこちら

以上レピドライトに成ったトルマリンの仮晶(´・ω・`)でした、お店の方にもいくつかこの仮晶が出ていますので見てみてください(´・ω・`)

また今回の内容をweb担荻久保のYoutubeチェンネルにUPしていますので良かったら御覧ください(´・ω・`)


ー最近のメルク*リリ(^ω^≡^ω^)ー

年末年始たっぷりお休みをいただきましたところ、現在は大忙しで目が回っているオーナーです(; ・`ω・´)
お店の方には新しい鉱物たちが続々入荷しています(´・ω・`)磨きものから鉱物標本やブレスなど多種多様のものがお店にたくさんならんでいます(´・ω・`)

今月も元気に営業中です( ゚∀゚)o彡°



・今回の参考文献・
□楽しい鉱物図鑑1・堀 秀道 著/草思社
□宝石の写真図鑑・キャリー・ホール著/日本ヴォーグ社