「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」のご紹介。

いつもお世話に成って居ります(´・ω・`)Web担当の荻久保です。
今回のブログは、10月の誕生石としても有名な鉱物、

「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」

のご紹介です(´・ω・`)


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」
オーストラリア産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら


□鉱物情報□

-蛋白石/Opal-

□和名:蛋白石(たんぱくせき)
□洋名:Opal(オパール)
□化学組成:SiO2・nH2O 含水珪酸ゲル
含水分は5~10%
□結晶系:非晶質(珪酸の微球状粒子の立体配列)*1
□条痕:白色
□色:無色,白色,黄色,橙色,赤色,緑色
青色,青灰色,黒色
□モース硬度:5.5~6.5
□劈開:無し
□比重:1.99~2.25
□主な産地:オーストラリア メキシコ ブラジル
インドネシア アメリカ ホンジュラス
チェコスロバキア タンザニア ペルー

※微量の水分を含む為、乾燥すると割れてしまう事も在ります。ものによっては、水に浸して保存する必要が在ります。

*1「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」は不規則な原子配列で、結晶質の構造を持たない「非晶質(ひしょうしつ)/Amorphous(アモルファス)」の鉱物です。黒曜石やモルダバイト、ガラスなどもこの「非晶質(ひしょうしつ)」に属します。


□名前の由来□

和名の「蛋白石(たんぱくせき)」は、その見た目が「卵の白身」に似ている所から来ています。
洋名の「Opal(オパール)」は古代ギリシャ語の「οπαλλιος opallios オパッリオス=色の変化を見る」から来ていると言われています。また、この古代ギリシャ語の「οπαλλιος opallios 」は、元々は古代インドのサンスクリット語「 upālā[s] ウパラ=貴い石」を由来とするそうです(´・ω・`)


様々な「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」

「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」は大きく分けて2種類に分けられています。
一つは、「プレシャスオパール」と呼ばれ、見る角度によって色がきらめく「遊色効果(ゆうしょくこうか)/Play of color(プレイオブカラー)」を有するタイプのもの。

もう一つは「コモンオパール」または「ポッチオパール」と呼ばれる「遊色効果」を持たない不透明なものに成ります。


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」 遊色効果のあるオパール
メキシコ産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」 接写画像
メキシコ産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」
遊色効果は無いが地色が美しいコモンパール
メキシコ産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」
ボルダーオパールのルース(宝石として研磨されたもの)
ボルダーオパールは、鉄鉱石の隙間で産出するオパールです。
オーストラリア産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」 「カンテラオパール(母岩付きルース)」
メキシコ産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら


日本国内でもは福島県宝坂で美しいプレシャスオパールを観察する事が出来ます。
以前日本の業者さんから購入したのがこちらの画像のものに成ります(´・ω・`)イボイボが特徴的なこの外観、、今回のブログを機に、半分にカットして中身を確認したいと思います(`・ω・´)


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」
福島県宝坂産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら

購入時に業者のおじさん曰く、

「当たりだったら綺麗な遊色でるかもね!!でも多分真っ白だよ!!」

と仰っていましたが、、さて、思い切っていざカット!!!


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」
福島県宝坂産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら

はい!!個人的には好みな表情ですが、オパールは殆ど見当たりません(´;ω;`)ブワッ
でずが、端の方に透明感のある所が在ったのでそこを少し研磨してみましょう(´・ω・`)


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」
福島県宝坂産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら
なかなか柔和な表情と成りました(´・ω・`)石英かとも思ったのですが、研磨の仕上げ作業が石英系のものに比べてやり易かったので、石英より若干柔らかいと思われます。ですのでこの箇所だけオパールかと思います。
仕上げた後、そういえば昔オーストラリアの業者さんから購入した「オムレットストーン」と言う石に良く似ていると思い、そちらを引っ張り出して比較してみる事にしました(´・ω・`)


「オムレットストーン」
オーストラリア産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら
こうして比較してみると非常に良く似ています(´・ω・`)このオムレットストーンはずーっと瑪瑙と思っていたのですがどうやらオパールだったようです。


さて、「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」は他にも、岩石の表面などに球状に成って産出する「玉滴石(ぎょくてきせき)」というものが在ります。
こちらの画像は、「金紅石(きんこうせき)/Rutile(ルチル)」の表面にびっしりと「玉滴石(ぎょくてきせき)」が着いているものに成ります。

「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」 玉滴石(ぎょくてきせき)
ブラジル産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら

この「玉滴石」は、紫外線を照射すると「 蛍光(けいこう)/Fluorescence(フルオルセンス)」という特殊な光り方をするものが在るのですが、こちらはどうでしょうか?


「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」 玉滴石(ぎょくてきせき)
ブラジル産 個人蔵
・高画質の別窓での表示はこちら
・ガラケー用低画質はこちら
なんともサイケデリックな輝きで御座います。この方法は、簡易では在りますが鑑別作業の一つとしても使えます(´・ω・`)

全ての鉱物に言える事ですが、産地によってその表情は千差万別です。今回ご紹介した「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」もまた、個々それぞれ異なった表情を見せてくれます。加えて、観察の仕方を変えてみると、一つの鉱物もまた様々な表情を見せてくれます。明るいライトの下、ルーペで覗いた時やペンライトで照らした時、カメラで撮影した時などなど、自分だけのお気に入りを探してみてはいかがでしょうか(´・ω・`)

以上「蛋白石(たんぱくせき)/Opal(オパール)」のご紹介でした。


本年も誠にありがとう御座いました(。・ω・。)

本当に早いもので、2014年も残す所あとわずかと成りました。お店の方は12月30日より冬期休業に入りまして、新年の営業は4日からと成ります。(4日の予約は一杯と成りました。)

(´・8・`)オーナーより
今年も沢山のお客様にご愛顧頂き誠にありがとう御座いました。来年も「地球って凄い!!」と思える鉱物を沢山お届け出来るよう頑張りたいと思いますのでどうぞお楽しみに(。・8・。)ノシ

それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい(。・ω・。)ノシ



今回参考文献

□楽しい鉱物図鑑・堀 秀道 著/草思社

□新訂 宝石・近山 晶 著/全国宝石学協会

□宝石の写真図鑑・キャリー・ホール著/日本ヴォーグ社

□Wikipedia 「オパール」
http://ja.wikipedia.org/wiki/オパール