今回のブログは、レピドライトに成ったトルマリンの仮晶のご紹介です(´・ω・`)
レピドライト トルマリンの仮晶 ブラジル産 個人蔵
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「仮晶」とは、ある鉱物の結晶が、形はそのままで中身が他の鉱物に置き換わっている現象のことで「仮像(かぞう)」とも呼ばれています(´・ω・`)
主な原因としては、例えば今回のトルマリンですと、地殻変動が起きてトルマリンのあるところに熱水などが入り込むことで起こります。ただ重要なのは、今回の場合トルマリンの化学組成と結びつきやすい他の化学組成が、入り込んだ熱水などに多分に含まれていることがポイントみたいです(´・ω・`)
トルマリン ブラジル産 個人蔵
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・鉱物情報・
□鉱物名:和名:リチア電気石(りちあでんきいし) 英語名:Elbaite(エルバイト)
□分類:複雑なホウ珪酸塩
□化学組成: Na(Li,Al)3Al6(BO3)3Si6O18(OH)4
□結晶系:三方晶系(さんぽうしょうけい)
□劈開(へきかい):なし
□モース硬度:7~7.5
□比重:3.06
□主な産地:マダガスカル、アフガニスタン、ブラジル、カルフォルニア、など
レピドライト ブラジル産 個人蔵
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・鉱物情報・
□鉱物名:和名:リチア雲母(りちあうんも)・鱗雲母(りんうんも)
英語名:Lepidolite(レピドライト)
□分類:カリウム等を主成分とする珪酸塩鉱物
□化学組成: KAl2(AlAi3O10)(OH,F)2
□結晶系:単斜晶系(たんしゃしょうけい)(擬六方晶系)
□劈開(へきかい):一方向に完全
□モース硬度:2.5~3 ときに4
□比重:2.7~2.9
□主な産地:ブラジル、アフガニスタン、マダガスカル、カルフォルニア、スウェーデン など
今回の「レピドライトに成ったトルマリンの仮晶」ですが、実際中はどの様になっているのでしょうか?もしかしたら中心のところはトルマリンのままだったりしないのでしょうか?(´・ω・`)?
思い切って中を割って確かめて見ようと思います(´・ω・`)
切断してみます(´・ω・`)
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切断面を観察しやすいようにキレイに磨き上げてみました(´・ω・`)
切断面
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ルーペでよくよく見てみると、、、全体的に均一な感じで小さいトルマリンの残りは無いようすです(´・ω・`)
切断面アップ
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断面の状態をもう少し観察してみたいと思います(´・ω・`)鉱物の判別方法では、鉱物の硬さ「モース硬度」を基準に判断する方法があります。
モース硬度とは、鉱物の持つそれぞれの硬さを数値化して基準としたものです。
1から10段階まであり数が大きくなるに連れて硬さが増している事になります。
モース硬度計
1:滑石(かっせき)
2:石膏(せっこう) 指の爪は2~3くらい
3:方解石(ほうかいせき) およそ10円硬貨
4:蛍石(蛍石)
5:燐灰石(りんかいせき)
6:長石(ちょうせき) およそカッターやナイフの刃
7:石英(せきえい)・水晶
8:トパーズ
9:コランダム・ルビー/サファイア
9~10の硬度の差はとてもあります。
10:ダイアモンド
このモース硬度をもとに、仮晶内部の変化している範囲を観察してみたいと思います(´・ω・`)
まずはトルマリンです。トルマリンのモーズ硬度は「7」なので、カッターで引っかいてもの傷は付きません(´・ω・`)
続いてレピドライトです(´・ω・`)こちらのモース硬度は「2.5~3 ときに4」なのでカッターの歯で簡単に傷が付きます(´・ω・`)
それでは今回の仮晶はどうでしょうか、、、?
外側から中心にカッターの歯で引っかきますとご覧の通り簡単に傷が付きました(´・ω・`)
このことから、中心部分もすべてレピドライトへ置き換わっていることが分かりました(´・ω・`)
完全に全体がレピドライトに置き換わっています ・高画質の別窓での表示はこちら
以上レピドライトに成ったトルマリンの仮晶(´・ω・`)でした、お店の方にもいくつかこの仮晶が出ていますので見てみてください(´・ω・`)
また今回の内容をweb担荻久保のYoutubeチェンネルにUPしていますので良かったら御覧ください(´・ω・`)
ー最近のメルク*リリ(^ω^≡^ω^)ー
年末年始たっぷりお休みをいただきましたところ、現在は大忙しで目が回っているオーナーです(; ・`ω・´)
お店の方には新しい鉱物たちが続々入荷しています(´・ω・`)磨きものから鉱物標本やブレスなど多種多様のものがお店にたくさんならんでいます(´・ω・`)
今月も元気に営業中です( ゚∀゚)o彡°
・今回の参考文献・
□楽しい鉱物図鑑1・堀 秀道 著/草思社
□宝石の写真図鑑・キャリー・ホール著/日本ヴォーグ社