いつもお世話に成って居ります(´・ω・`)Web担当の荻久保です。空は雲高く、田畑は続々と稲刈りを終え、稲干しの風景が広がりすっかり秋の様相と成ってまいりました。
さて、今回のBlogは、綺麗なピンク色が特徴的な
「菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)/Rhodochrosite(ロードクロサイト)」
のご紹介です(´・ω・`)
菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)/Rhodochrosite(ロードクロサイト)
原石 アルゼンチン産 W43xD34xH16 個人蔵
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□鉱物情報□
-菱マンガン鉱/Rhodochrosite-
□和名:菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)
□洋名:Rhodochrosite(ロードクロサイト)
□化学組成:MnCO3 マンガンの炭酸塩
□結晶系:六方晶系(三方に属する)
□条痕:白色
□色:紅色、灰色、褐色
□モース硬度:3.5~4
□劈開:三方向に完全
□比重:3.4~3.6
□主な産地:アルゼンチン、アメリカ(コロラド州)
日本、メキシコ、南アフリカ
日本では、北海道や青森県、岐阜県でも産出する。
「マンガン(Mn)」を起因とするローズピンク色が特徴的な「菱マンガン鉱/Rhodochrosite」。化学組成は、マンガンの炭酸塩で、「方解石(ホウカイセキ)/Calsite(カルサイト)」と「類質同像(るいしつどうぞう)」*1の鉱物に成ります。ですので「方解石/Calsite」同様に炭酸塩鉱物の特徴である複屈折現象*2を示します。
類質同像*1 良く似た化学組成をもつ物質が、同一の結晶構造をとること。
複屈折現象*2 光線が「物質(例として方解石)」を通った時、特定の条件で光が2つに別れる現象。
・例 方解石を本のページに置いた時、文字が二重に見える現象。
通常の産出は、塊状で粒状の外観をしています。そして、同心状の縞模様を示します。稀に非常に美しい単結晶のものが産出されます。
南米アルゼンチンのアンデス山から、美しいローズ色のものが産出する事から、「インカローズ/Inca Rose」の名前でも親しまれています。
□名前の由来□
和名の由来は、「菱面体形状(マッチ箱を斜めにつぶした様な菱形)」の結晶の形が見られるところから。
洋名の由来は、古代ギリシャ語の「薔薇色の石」{「薔薇 / ροδον / rhodon ロドン」、「色 / χρωμα / khroma クローマ」、「石 / λιθος / lithos リトス」}から来ています。
菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)/Rhodochrosite(ロードクロサイト)
原石 北海道産 W31xD23xH169 /mm 個人蔵
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黒または褐色の部分は「鉄閃亜鉛鉱(てつせんあえんこう)/Marmatite(マーマタイト)」または「閃マンガン鉱(せんまんがんこう)/Alabandite(アラバンダイト)」。
菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)/Rhodochrosite(ロードクロサイト)
原石 岐阜県産 個人蔵
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菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)/Rhodochrosite(ロードクロサイト) 拡大画像
原石 岐阜県産 個人蔵 粒状の結晶が確認出来ます。径は1mm程度。
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菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)/Rhodochrosite(ロードクロサイト) さらに拡大画像
原石 岐阜県産 個人蔵
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さて、ピンク色が美しい「菱マンガン鉱/Rhodochrosite」ですが、その色に加えて縞模様の美しさも注目したいところです。
一番最初に画像を載せました「アルゼンチン産」の標本ですが、底の面が画像の様に平らにカットされています。そのままでも縞模様は確認出来るのですが、もう少し手を加えてこの縞模様をもっと良く観察出来るようにしてみたいと思います( ー`дー´)キリッ
菱マンガン鉱(りょうまんがんこう)/Rhodochrosite(ロードクロサイト)
原石菱マンガン鉱 アルゼンチン産 個人蔵
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今回も、ダイアモンドパシフィック社の「BIG FOOT」を使用して磨いていきます(´・ω・`)
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「粗い番手」から徐々に「細かい番手」へ移行していきます。
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最後の仕上げに#14000番のダイアモンドコンパウンドを使ってピカピカに磨いきます(・∀・)
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研磨面に傷が残ってないか確認し、問題なければ完成です(´・ω・`)
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「菱マンガン鉱/Rhodochrosite」
原石 菱マンガン鉱 アルゼンチン産 個人蔵
研磨完了の画像がこちらに成ります。縞目模様と色のコントラストが観察しやすく成ったと思います(・∀・)
この美しい模様を利用して、宝石としても多く使用されています。ただ、モース硬度が3.5~4と柔らかいので、取り扱いには注意が必要です。
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「菱マンガン鉱/Rhodochrosite」のルースを使用したシルバーペンダント。
製作 web担荻久保(´・ω・`)。
様々な特色のある「菱マンガン鉱/Rhodochrosite」のご紹介、如何でしたでしょうか。また面白い標本をご用意出来ましたらご紹介したいと思います(。・ω・。)
□最近のmelc*lilli□
先日オーナーがポッコリの空いた日を利用して、お店の模様替えを決行していました。模様替えした店内は以前と同じ間取りとは思えない程広々とした印象に成り、鉱物やアクセサリー類もピカピカに成っていました。冬に向けての暖房の為の準備も少しづつ進んでおり、季節の移ろいも感じるそんな毎日で御座います。
それではまた、次回のblogをお楽しみに。
でわでわ(。・ω・。)
今回参考文献
□楽しい鉱物図鑑1 堀 秀道 著/草思社
□宝石の写真図鑑 キャリーホール著/日本ヴォーグ社
□新訂 宝石学必携 近山 晶 編著/日本宝石学協会
□新訂 宝石 近山 晶 編著/日本宝石学協会
□Wikipedia 菱マンガン鉱
http://ja.wikipedia.org/wiki/菱マンガン鉱