珪孔雀石(けいくじゃくいし)/Chrysocolla(クリソコラ)

お世話様です(´・ω・`)。Web担当の荻久保です。
新緑がちらほら見えるゴールデンウィーク真っ只中
皆様いかがお過ごしでしょうか(´・ω・`)
さて、今回のブログは、銅の二次鉱物の中でも
比較的、宝飾品として使用される事の多い

「珪孔雀石(けいくじゃくいし)/Chrysocolla(クリソコラ)」

をご紹介です(`・ω・´)。

「珪孔雀石(けいくじゃくいし)/Chrysocolla(クリソコラ)」 
原石 マダガスカル産  
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上記の接写画像です。チョークの様なマットな質感です。
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□鉱物情報□
・和名: 珪孔雀石(けいくじゃくいし)・洋名 Chrysocolla(クリソコラ)
・化学組成:(Cu,Al)₂H₂Si₂O₅(OH)₄・nH₂O 含水銅珪酸塩
・結晶系:単斜晶系   ・条痕:白
・モース硬度:2  ・比重:2.20
・劈開(へきかい):なし
・主な産地:マダガスカル、チリ、ロシア、コンゴ 他
 ※特に銅鉱床のある地域に産出する。



先のブログでご紹介した、「孔雀石(くじゃくいし)/Malachite(マラカイト)」
や「藍銅鉱(らんどうこう)/Azurite(アズライト)」と同じ銅を含む鉱床が
風化する事で生成される銅の二次鉱物です。

「孔雀石」や「藍銅鉱」は風化の行程で、酸素や水と反応して
出来る鉱物ですが、「珪孔雀石(けいくじゃくいし)/Chrysocolla(クリソコラ)」
は、風化の行程で、「珪素(けいそ)」や「アルミニウム」と結びついて
出来た鉱物に成ります。この行程により、「珪素と酸素」を中心に
構成する「珪酸塩鉱物(けいさんえんこうぶつ)」の部類に成ります。

「珪孔雀石(けいくじゃくいし)/Chrysocolla(クリソコラ)」
 原石 マダガスカル産  
珪素成分が多く含まれているタイプの原石です。
ガラスの様な質感が特徴的です。
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上記の接写画像です。ガラス質の質感が観察出来ます。
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・名前の由来・

和名の「珪孔雀石(けいくじゃくいし)」の由来は、「孔雀石」と同じ
銅の鉱物ですが成分が「珪酸塩(けいさんえん)」なので、この頭文字
を加えて「珪孔雀石」と言われています。

洋名の「Chrysocolla(クリソコラ)」は古代ギリシャ時代から使われて
いた名称でギリシャ語の「Chrysos/ 金」と「Kolla/ 繋ぐ 接着する」
から由来します。この「Chrysos Kolla」の表現は、紀元前の古代ギリ
シャの哲学者「テオプラトス」が最初に用いたと言われています。
他にも古代ローマの博物学者「ガイウス・プリニウス・セクンドゥス」
の「博物誌」に記されているほか、1556年にドイツの科学者「ゲオル
ギウス・アグリコラ」によって刊行された「デ・レ・メタリカ」にも
記されていますが、鉱物の「Chrysocolla(クリソコラ)」を限定してい
るのではなく、金を精錬する時に使用する物質を総じて「クリソコラ」
と呼んでいた様です。


・宝石としての「珪孔雀石/Chrysocolla」・


「珪孔雀石/Chrysocolla」は特有の模様が非常に美しく
海外では宝石としても人気のある鉱物です。
しかし、モース硬度は2と非常に柔らかく、日常生活で
使用するには不向きです。ですので装身具などに使用さ
れる場合は、樹脂を浸透させ、補強した後に加工されます。
天然の状態で石英が浸透し強度を十分有するものも産出し
こちらは「ジェムシリカ」と呼ばれジュエリーなどに
使用されています。

「ジェムシリカ」を使用したシルバーアクセサリーの画像です。
ルースの在庫が無いので、小生が以前製作したペンダントの画像
でご紹介します(・ω<)真ん中のペンダントに使用しているのが
「ジェムシリカ」タイプの「珪孔雀石/Chrysocolla」に成ります。
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「珪孔雀石(けいくじゃくいし)/Chrysocolla(クリソコラ)」 
磨石タイプ ナミビア産  
樹脂浸透処理後に研磨したものです。
美しい模様が引き立っています(・ω<)
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今回の締めくくり(´・ω・`)



「 クリソコラは地球色 (・8・) 」

いつだったかオーナーが言っていた言葉をカシャコンッと
原石を撮影しながら思い出して居ました。
見れば見るほど、確かに肥沃な緑生い茂る大地を空高くから
見た印象と同じ心持ちに成る色の「クリソコラ」。
銅を起因とするこの様々な色は、計り知れな多種多様な
グラデーションと成って見る者の目を楽しませてくれます。

今回いろいろ調べてみまして、金属にまつわる鉱物は
二千年以上昔から、その時代の最先端の人々によって
丹念に調べられ、学問として修められていた事を、ほ
んの少しですが知ることが出来ました。

手に収まる大きさの石ですが、この石の中の秘密を
取り出そうと、数えきれない人々が膨大な時間を費や
していたと考えて見ると非常に胸が熱くなります(´・ω・`)

鉱物はやっぱりとっても面白いです(・ω<)

さて、ここで お店からのお知らせです。
melc*lilli(メルクリリ)はご予約制の小さな鉱物屋さんです。
それぞれのお客様にきちんと対応させて頂く為に間で準備の時
間を設けさせて頂いております。ですので、ご予約の時間より
早めにご来店頂いても対応出来ない事が在りますので、ご来店
の際は、必ずご予約の時間を目処にあまりお急ぎに成らない様
お越し下さい。オーナーも人間ですので食事は必要です。
またご来店の際はご予約のお電話をよろしくお願い致します。

でわでわ(´・ω・`)


今回参考文献

□楽しい鉱物図鑑1 堀 秀道 著/草思社

□宝石の写真図鑑 キャリー・ホール 著/日本ヴォーグ社

□Wikipedia 珪孔雀石
http://ja.wikipedia.org/wiki/珪孔雀石

□Wikipedia  テオプラトス
http://ja.wikipedia.org/wiki/テオプラストス

□Wikipedia ガイウス・プリニウス・セクンドゥス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ガイウス・プリニウス・セクンドゥス

□Wikipedia  ゲオルギウス・アグリコラ
http://en.wikipedia.org/wiki/Georgius_Agricola

□Wikipedia デ・レ・メタリカ
http://en.wikipedia.org/wiki/De_re_metallica